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日常をつらつら綴るブログ

3.11について

あっという間に0時を回って、3.11が終了した。今年は10年という節目もあって、テレビやSNSで当時の回想がたくさん流れた。「こんなときだけ取り上げて」と、思う気持ちも少しあったけれど、人々の心に残るのであれば、何かにかこつけて取り上げるのも悪くはないよな、と思う。

 

僕はというと、2020年10月ごろから、ちょこちょこ被災地へ行く機会があった。まっさらな土地に目新しいきれいな建物が、“新名所”のような顔して佇む物産展。のどかな海の景色を眺めながら、ふと「2011年以前はどんな場所だったのだろう」とyoutubeを検索し、以前はここから海なんて見えなかったことを知ったときは、やりどころのない思いを持ったものだ。

 

「復興を感じられるのはあと1年かかる」とか、「まだまだ以前のようには戻りません」とか、10年という節目を迎えても、震災の跡は深く根付いている。これは被災地に行かなければ全く実感できなかったこと。そしてその中でも、「震災前よりも盛り上げよう」と奮闘する人々の姿も、この目で見なければ実感の持てなかったこと。リアルな声を聞ける仕事に就いていて、本当にありがたく思った。

 

実際のところ、僕は自身を経験していない。

けれど他人事にならずに今も過ごしているのは、仕事を通して被災地で暮らす人を目の当たりにしてきたから。楽しく、熱心に、自分の生活を過ごしている人をみてきたからだと思う。

 

石巻、女川、気仙沼、いわき、そして相馬。2011年当初はがれきばかりだった陸前高田。実際に行くことで、こんなにも特別な土地になるものなんだな。