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日常をつらつら綴るブログ

ことばでつながる“家族”

家族とはとてもあいまいなものだ。

 

血がつながっているとかつながっていないとかを重要だと思う人もいれば、紙切れ1枚が大事だと考える人もいるし、「気持ちが大事」と信じて疑わない人もいる。一体なにがどうなると「家族」なのだろうか。

 

「もう家族だから」と彼の両親が私に言う。大晦日にお邪魔するようになってもう10年近くたつが、この言葉をもらったのは初めてだった。お義父さんはもの静かだけれど、一度話しはじめるとwikipediaのように永遠と情報を語る。お義母さんはちょっと天然で、ふわふわとした空気をまとっている。

 

ふたりとも、いつもずっと優しかったが、「結婚します」と言う前と後では気持ちも違うのだろうか。突然ふってわいたような“結婚”という言葉には、どのくらいの魔法が備わっているのだろう。

 

「お兄ちゃんがあんなに話すと思わなかった」

 

団らんの後に彼が驚きを交えて言ってきた。結婚の魔法はお兄さんにもかかったらしい。普段は全く話さないお兄さんが積極的に質問していたそうだ。顔合わせではノンアルコールビールだったお義父さんも、「あんまり飲めないけど」とブランデーをもってきて、静かにゆっくりお酒を交わす。

 

彼の家族とは、血がつながっているわけでも紙切れでつながっているわけでもない。彼との“結婚”ということばでつながっただけだけれど、私たちは家族になったようだ。