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日常をつらつら綴るブログ

惹かれるストレート

くしゅくしゅのウェーブよりもストレートヘアのほうが僕は好きだ。さらさらのまっすぐな髪の毛に惹かれる。とくに前髪は、ちょっと目にかかるくらいの長さを横に分けているのが好き。どう考えたって絶対まっすぐのほうが可愛いと思うのは、完全に自分の好みの問題でしかないことも自覚している。

 

仕事で地方に来たら、予想以上に駅前が真っ暗で驚いた。エスカレーターは動いているのに明かりがついていない。「ここは緊急事態宣言が無いから」と、20時以降に外へ出て夜ご飯を探してみたが、まさかの臨時休業、どこもかしこもシャッターが閉まっていて30分近く駅前をふらつくはめになった。

 

ようやく見つけたのは町の中国料理屋。中華料理屋ではなく、“中国料理”と書かれていた。お店の外から店内を覗くと、「人類はここに集まっていたのか」と言わんばかりの人・人・人。真っ暗な外だけを見てすべては語れないのだな。

 

お店に入ったら、3人で食べに来ていたギャルが物珍しそうにこちらを見た。久しぶりにみた銀髪、けばけばの真っ黒まつ毛。大好きなはずのストレートヘアもギャルの様相を見ると全く違ったもののように感じられる。あまりにもじろじろ見られるものだから、「東京から来たことがばれて、コロナを警戒されてしまっているのでは」と不安になった。実際、席についてメニューを頼み終えるまで、彼女の視線はずっと私に注がれていた。

 

一組去ってはまた一組、お店には人が集まってくる。まるで夏の夜に該当に集まる虫のようだ。私の光はタンタンメン。カタカナで書かれていたからタンメンと間違えて頼み、真っ赤な汁が届いたころにようやくあれが担々麺であることに気づいた。辛さもちょうどよく、中に入った鶏肉が美味だったのでよかったけれど、形でしか物事を把握しないこの癖はちょっと直したいなと思う。食べ終わるころには、ストレートヘアのギャルはいなくなっていた。彼女もまたお腹を満たして、自分の巣へと戻っていったのだろう。

 

寝る前に、明日の準備をしておこう。鏡と向き合いストレートな前髪を手櫛で整え、アイロンを忘れてきたことに気づいたのだった。